2023/11/10

亜鉛はEDに効く?亜鉛とED薬の同時摂取について解説

ED治療には、性行為時の即効性勃起薬である ED治療薬による対症療法男性ホルモンを増大させ男性機能を長期的に維持増進する根治療法を並行実施することが推奨されます。例えるならばED治療薬による対症療法は家であり、男性機能を維持増進する根治療法は土地に当たります。土地がしっかりしていないと長期的にはどんなに良い家も傾いてしまいます。専門医師の指導に基づき、勃起力改善効果のあるED治療薬と男性機能を維持増進する「医療用亜鉛」摂取の併用を推奨します。

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【亜鉛不足と勃起不全(ED)の関係】

〔亜鉛の体内での働き〕

亜鉛とは体内で作ることのできない必須微量ミネラルで体内に約2~4g存在します。
亜鉛は歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く存在し、酵素の働きを助けて体の機能を維持する作用や、DNAやタンパク質の合成といった細胞を新しく作る作用等に関与する身体の成長と維持に必要な栄養素です。また、男性機能維持に関与するためセックスミネラルとも呼ばれます。

〈亜鉛の関わる生理機能〉
 味覚の維持、免疫力を保つ、生殖機能を保つ、健康な皮膚を保ち脱毛を防ぐ、精神・行動への影響、肝臓の働きを保つ

〈亜鉛の不足症状〉
味覚障害、皮膚炎、脱毛、口内炎、食欲低下、下痢、生殖(性腺)機能障害、傷が治りにくい、感染症にかかりやすい、貧血、骨粗しょう症

〈生殖(性腺)機能障害とは〉
亜鉛が不足すると、特に男性の性腺(精子や男性ホルモン作る精巣、睾丸)に発達障害や機能不全が起き、男性ホルモン(テストステロン、睾丸で95%生成)の生成・分泌が低下し、精子の減少、性欲の減退、勃起不全・ED等の症状が現われる懸念があります。

〔亜鉛不足の現状〕

推奨される亜鉛摂取量は成人男性で11mg/日程度ですが(※2)、成人男性の実際の摂取量は9mg未満で推奨量よりも不足気味です。(※3)

(※2)(厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020 年版))

(※3)(平成27年国民健康・栄養調査報告 (mhlw.go.jp)のP.72~参照)

〔亜鉛不足の原因〕

亜鉛摂取は不足気味ですが更に不足する4つの原因により体調不良、男性機能低下を発症しやすくなる懸念があります。

摂取不足(摂取する亜鉛の量が絶対的に足りない)

吸収不全(食事等により摂取された亜鉛がきちんと吸収されない)

需要増大(必要とされる亜鉛摂取量が多いのに摂取量が足りない)

排出増加(便、汗等から過剰に排泄される)

〔亜鉛不足の年代別特徴〕

〈成人男性〉

摂取不足(亜鉛を多く含む動物性タンパク質を食べないベジタリアン、過激なダイエット・偏食がある人)

吸収不全(コーヒー、オレンジジュース、カルシウム、穀物・豆類に含まれるフ ィチン酸を過剰に摂取すると吸収を抑制/肝臓病、腸の疾患、腸管切除等の場合吸収が低下/抗生物質等は亜鉛と結合し消化管からの吸収抑制)

需要増大(パートナー・仕事等のストレスが増大すると肝臓でメタロチオネインという物質を作り体をストレスから守ります。メタロチオネインを生成するために大量の亜鉛が必要)

排泄増加(肝臓病、糖尿病、腎臓病、透析中の人は尿、透析液から排泄増加/関節リウマチ、パーキンソン病、痛風、糖尿病、不眠症、うつ病、てんかん等の治療薬により排泄増加)

〈高齢者〉

摂取不足(食が細くなり摂取不足/静脈注射を主たる栄養源にした摂取不足)

吸収不全(高齢化による消化吸収量の低下による摂取不足)

排泄増加(高齢者に多い肝臓病、糖尿病、腎臓病等の慢性病による吸収不全、常 用薬による排泄増加)

〔亜鉛不足によるED発症リスク〕

〈亜鉛不足による男性ホルモン減少〉
男性ホルモンの95%はテストステロンで、その95%は睾丸で生成・分泌されます。亜鉛は睾丸でライディッヒ細胞からのテストステロンの生成と分泌に不可欠なため亜鉛不足はテストステロン低下要因になります。
海外の研究では正常な若年男性に亜鉛制限を実施したところテストステロンが73%減少し、亜鉛不足の高齢男性が 6ヶ月間亜鉛を摂取し続けたところテストステロン値が約2倍になる結果報告もありました。

※4詳しくは→A S Prasad 1, C S Mantzoros, F W Beck, J W Hess, G J Brewer|Zinc status and serum testosterone levels of healthy adults

〈男性ホルモン減少によるED発症リスク〉
性欲、性衝動は男性ホルモンであるテストステロンの作用です。異性を惹き付けるフェロモンを発生させて、ドーパミンという興奮作用のある神経伝達物質を増やし骨盤神経に作用して勃起を起こすなど、男性が性行為を行うために必要な興奮、勃起等の性衝動のスイッチを入れます。
従ってテストステロンの減少は男性機能を低下させ、性欲減退、性交時の幸福度低下、朝立ち減少、勃起力衰退、ED発症リスクが高まる要因(※5)となり得ます。

※5→日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン[第3版]

〈亜鉛不足によるED発症リスク〉
上記より亜鉛不足とED発症については下記の関係が推定されます。

亜鉛不足→テストステロン減少→男性機能低下→ED発症リスク増大

また、亜鉛は睾丸での正常な精子形成、増産に不可欠なため、亜鉛不足には精液の質低下、精子量減少、射精時の快感度・性行為の満足度の低下懸念があります。

【当院推奨のED治療薬治療】

〔ED治療薬と亜鉛の同時服用〕

〈ED治療薬と亜鉛の服用目的の違い〉
ED治療薬はEDの治療・症状改善、特に性行為時の確実な勃起という速効効果が目的です。亜鉛は即効性はありませんが、健康維持を図り、男性機能を維持増進する長期的効果が目的です。

〈ED治療薬服用のための健康維持の必要性〉
効果的なED薬服用には ED症状を悪化させない健康維持が必要です。なぜならば、例えば糖尿病が悪化するとED治療薬の勃起効果が低下する傾向がありますし、肝機能障害・低血圧/高血圧治療中・脳梗塞・心筋梗塞の患者様の中にはED薬が服用できなくなる場合があるからです。

〈ED治療薬と亜鉛の同時服用の相乗効果〉
亜鉛については男性機能を増進するテストステロンを増やす顕著な効果が研究報告(※4)されていますので、勃起の即効性あるED治療薬との相乗効果が期待できます。従って当院では、ED治療薬と亜鉛の同時服用を推奨しています。

〔亜鉛の上手な摂取方法〕

亜鉛は多くの食品に含まれていますのでバランス良い食生活を続けましょう。特に牡蠣、うなぎ、豚レバーは含有量が多いのでお勧めです。(※6)しかし ED治療の場合は食事だけでなく亜鉛の同時服用をお勧めします。

※6→EDは食事改善で治る?医師が教えるおすすめの食べ物とNGな食べ物 |【公式】ユナイテッドクリニック (united-clinic.jp)

〈亜鉛の吸収〉

・食べ物から摂取された亜鉛は小腸で吸収され、その吸収率は30%とあまり高くな く年齢と共に低下します。

・吸収率を高める工夫が必要です。
亜鉛の吸収を高める栄養素として動物性タンパク質、クエン酸、ビタミンCが挙げられます。そのたとめ肉・魚・卵・牛乳・柑橘類等の食べ物と一緒に亜鉛を摂取すると効果的です。

・吸収率を低下させない工夫が必要です。
多すぎる食物繊維、コーヒー、オレンジジュース、カルシウム、玄米等に含まれるフィチン酸は腸での吸収を妨げる効果がありますので亜鉛を摂取する際には控えましょう。

・亜鉛の吸収・排出促進のキレート作用への配慮
(亜鉛吸収促進)玉ねぎ・トマト・ネギ等の野菜が亜鉛等のミネラルを吸収されやすい形に変える作用です。亜鉛がアミノ酸や有機酸と結合して吸収されやすい形に変わったキレート亜鉛やグルコン酸亜鉛があります。当院の医療用亜鉛は粉ミルクにも含まれる「グルコン酸亜鉛」で吸収率が通常の30%から60%(※7)まで高まるとされており安心です。

※7→pc1_tenkabutu_gluconiczn_261105.pdf (fsc.go.jp)

(亜鉛排出促進)降圧薬、脳循環改善薬、抗腫瘍薬、抗うつ薬等の治療薬が亜鉛を体外に排出されやすい形に変える作用です。

〈ED治療としての亜鉛服用の注意点〉

・亜鉛摂取には上限があり1日当たり40mg、推奨摂取量は健康な成人男性は11mg/日程度と言われていますが、ED治療で亜鉛不足治療の場合には医師の判断で20~30mg/日の服用をする場合もあります。ED治療を効果的に行うためには、過剰摂取による健康被害を避けつつ効果的な最大適量亜鉛摂取を医師の診療に基づき行うことが大切です。

・コンビニ、ドラッグストアの市販品亜鉛サプリメントは健康維持目的としては有効(※8)ですが、ED治療の一環としての亜鉛の摂取は、医師監修の下で製造した医療用亜鉛サプリメントを医師の指導の下で服用することをお勧めします。
ユナイテッドクリニックグループの医療用「Medical Doctor’s Select亜鉛」は市販品に比べ成分の含有量が多く、粉ミルクにも含まれる「グルコン酸亜鉛」で吸収率が通常の30%か60%(※7)まで高まるとされており効果を感じやすいでしょう。

※8詳しくは→サプリでEDは改善する?薬局・ドラッグストアで買える市販品の効果や即効性について |【公式】ユナイテッドクリニック (united-clinic.jp)

【最後に】

必要なときだけ服用するED治療薬と毎日継続する亜鉛サプリメントの併用は、より大きな勃起不全(ED)治療効果につながる可能性があります。当院受診の際は亜鉛サプリメントの同時服用について担当医師にお尋ねください。皆様の受診を心よりお待ちしております。

監修者

院長 髙嶋 政浩

平成元年杏林大学医学部医学科卒業
平成元年杏林大学医学部附属病院
平成8年西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任
平成12年大手美容外科クリニック
令和3年ユニティクリニック