2024/1/5

射精を妨げる「賢者タイム」を知っていますか？
ED治療薬（バイアグラ、レビトラ、シアリス）等による賢者タイム短縮を徹底解説

【賢者タイム】

賢者タイムとは、性交や自慰行為で射精オルガズムに達した後見られる、急激に性欲が減退し無気力・冷静・睡魔等の体が変化している状態のことをいいます。性欲が減退して落ち着いた状態が悟りを開いた賢者のように見える事に由来した俗語です。学術的にはPCD（post-coital dysphorial性交後憂鬱）、英語ではpost-sex blue（セックス後のブルー）と呼ばれています。賢者タイム発生のメカニズムは、射精することでプロラクチンが脳下垂体前葉から大量に分泌され、興奮物質であるドパミンや性欲物質である男性ホルモン（テストステロン）等、勃起や性欲を増進するホルモンを抑え発生します。したがって、健康な男性でも、生理的にしょうがない部分があります。また、賢者タイムには個人差があり、ほとんどない方もいらっしゃいます。平均的には20～30分ですが、未成年は15分程度、70歳以上の高齢者では20時間程度とされ加齢による長時間傾向があるとされています。

【賢者タイムとED】

賢者タイムは直ぐに連続射精できない射精に関する不満足であり、EDは十分な勃起ができない勃起に関する不満足です。したがって、射精に関する賢者タイムと勃起に関するED（勃起不全）は別症状になります。

【賢者タイムと射精障害】

男性性機能障害とは満足感ある性交を行うことが困難な状態を広範囲に意味し、EDだけでなく勃起しても射精できない射精障害も含まれます。賢者タイムは加齢により時間が延びる傾向であることを考慮すると、射精後に直ぐ射精できない場合に、射精障害が関係している場合もあります。

【賢者タイムの短縮】

〔ED治療薬の服用〕

賢者タイムについてバイアグラなどのED治療薬の服用によって短縮できることが分かっています。実際の数値として、レビトラの場合16.7分から4.3分に、バイアグラの場合で10.8分から2.6分にまで短くなったという報告（※1）もあるほどです。ED治療薬が賢者タイムの短縮にも効果的であると言える一つの例です。バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬の勃起サポート効果は、プロラクチンが分泌された状態でも有効であり賢者タイムの短縮に効果があるとされています。

※1 →Effects of sildenafil (Viagra) administration on seminal parameters and post-ejaculatory refractory time in normal males - PubMed (nih.gov)

〔1回目射精の興奮抑制〕

射精後に興奮作用のあるドパミン、テストステロンを抑制し賢者タイムの原因となるプロラクチンが分泌され、射精までの興奮度が高いほど分泌量は多くなり、賢者タイムは長くなりがちになります。一回目の射精で興奮しすぎない工夫が必要です。

〔男性ホルモン（テストステロン）分泌の促進〕

男性性機能の維持・向上を司るテストステロンの分泌を促進することで連続射精、すなわち賢者タイムの短縮が期待できます。具体的には下記の取組みが有効です。

〈十分な睡眠〉

睡眠不足が7日間続くと賢者タイムを短縮するテストステロンが減少しするという研究報告があります。また、テストステロンは夜1～3時に活発に作られます。したがって、毎日7時間以上の睡眠を摂る、23時には就寝することでテストステロンの十分な分泌、賢者タイムの短縮が期待できます。

〈食べ物〉

・ナッツ類、肉、卵には、性機能をアップするテストステロンの分泌を高める効果　があります。朝食には目玉焼き・オムレツ等の卵料理、間食にはアーモンド・クルミ・カシューナッツ等のナッツ類、夜にはステーキ、牛丼等の肉料理と言うようにナッツ類、肉、卵を積極的に摂りましょう。

・糖質中心の食事は肥満につながり、体脂肪の増加はテストステロンの低下となる可能性があります。

・今ある筋肉を維持するためには、タンパク質の摂取が必要不可欠ですが、テストステロンの分泌を強化するためにも、タンパク質の摂取は欠かせません。

・脂質に含まれるコレステロールはテストステロンをつくる栄養素のひとつであるため、低脂質の食事はコレステロール摂取量が減少しテストステロンの分泌も少なくなります。

・一価不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸を多く含んだ油（オリーブ油、キャノラー油）は、精巣の中で、コレステロールをテストステロンに生成する働きを促進します。ただし、サラダ油は多価不飽和脂肪酸でテストステロンの生成を抑制してしまうので、できるだけオリーブオイル、キャニラー油で代用しましょう。

・グレープフルーツはエストロゲンを増やし、テストステロンを減少させる作用があるので避けましょう。

〈体重コントロール〉

・肥満の人はテストステロン値が低いことが分かっており、体重を減少させることでテストステロン値が増えることが、2012年アメリカの内分泌学会の研究で分かりました。

・体重を急激に落とすと逆にテストステロン値を低下させてしまうので、1ヵ月に10Kg以内の減量を目安としましょう。日頃の食事と筋トレで体重のコントロールをしましょう。

〈食事〉

・摂取エネルギーが少ない人は十分摂取できている人に比べテストステロンの分泌が少ないとされています。朝食抜き、過激なダイエット等は避けましょう。

・夜間には体内時計を調節する時計遺伝子の一つであるBMAL1遺伝子とその蛋白質が活性化しますが、この蛋白質は脂肪を蓄積し分解を抑える作用を持っています。長期の過度な夜食は肥満の原因になり、テストステロン値を低下させますの で控えましょう。

〈筋トレ・スクワット〉

・筋トレにより筋繊維が損傷し、その損傷を修復する際にテストステロンが分泌されます。特に太ももの大腿四頭筋のような大きな筋肉を鍛えるとテストステロンの分泌が促進され男性性機能アップが期待できます。

・スクワットは内転筋を刺激し男性性機能に密接に関係する骨盤底筋を強化します。朝起きたら、食後に等の習慣化が大切です。なお、 1時間以上の筋トレはコルチゾールというストレスが原因で増加するホルモンが増えて、テストステロンを減少させてしまうので注意しましょう。

・ビタミンCはコルチゾールの分泌を防ぐだけではなく、テストステロン値の減少を防ぐことが知られています。筋トレ前にはビタミンＣを1,000mg、筋トレ後には2,000mg程度摂取することをお勧めします。

〈栄養ドリンク〉

射精後に栄養ドリンクを飲む。男性にとって1回の性行為・射精は400ｍ走に匹敵する程ハードで体力を消耗します。そのため射精後にビタミン類、アミノ酸などが豊富に含まれる栄養ドリンクを飲むことで、気分リフレッシュ、疲労回復、賢者タイム短縮が期待できます。事前にコンビニ等で購入し、1回目の射精後に飲みましょう。

→EDに精力剤は効果ある？ED治療薬との違いや薬局・コンビニで買えるおすすめ

〈精力増進サプリの常用〉

精力サプリには、亜鉛、マグネシウムなどのミネラル類やビタミンDなどのビタミン類など多様な精力増強成分が配合されており、男性性機能の向上、延いては賢者タイムに短縮も期待できます。性行為の直前ではなく、日頃から継続して服用しましょう。

→サプリでEDは改善する？薬局・ドラッグストアで買える市販品の効果や即効性について

〈飲酒・タバコ〉

・適量の飲酒はストレスの軽減によりテストステロン値を上げることが分かっていますが、長期的な過剰な飲酒はテストステロン値の減少を促進させます。お酒に含まれるエタノールが精巣にあるテストステロンを生成する細胞に障害を与えるからです。更にアルコールを摂取し過ぎると内臓脂肪が蓄積され肥満体型になりテストステロン値を低下させるという悪循環を招きます。

・タバコはコルチゾールの生成を促進し、テストステロンの生成を減少させる作用があるので控えましょう。

〈自慰行為の制限〉

・テストステロンが自慰行為によって消費されることは知られています。そこで自慰行為の回数を制限してテストステロンの濃度を高める自慰行為の制限（オナ禁）も賢者タイム短縮効果が期待できます。

・テストステロンの濃度を考えると、自慰行為は１週間に１度が理想的です。なお、「オナ禁7日目がテストステロン濃度が一番高い」という研究報告があります。

→[Periodic changes in serum testosterone levels after ejaculation in men] - PubMed (nih.gov)

〔女性のパートナーと協力しての賢者タイムの短縮〕

世の中に浮気が絶えないように特定のパートナーとの性行為のマンネリ化で性的興奮を感じなくなるといわれています。したがって、性行為のマンネリ化を回避するためには、女性パートナーと協力して性欲を高め賢者タイムを短くできるように下記のような工夫も有効です。