2025/4/24
AGAの初期脱毛とは?原因や抜け毛が続く期間、正しい対処法を解説
AGA(男性型脱毛症)の治療を始めたばかりなのに、「かえって抜け毛が増えた…」と不安になる方は少なくありません。
この現象は「初期脱毛」と呼ばれ、AGA治療によって一時的に起こる正常な反応です。
この記事では、初期脱毛がなぜ起こるのか、その期間はどれくらい続くのか、正しい対処法について詳しく解説します。
AGA治療で起こる初期脱毛とは
AGAの治療を開始すると、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。
これは、治療薬が毛根に作用し、古い髪が抜け落ちて新しい髪が生える準備が整う過程で起こる自然な反応です。
特に、血行を促進して発毛を促すミノキシジル配合の外用薬や内服薬で起こることが多く、「薬が効いているサイン」とも考えられます。
なお、初期脱毛はすべての人に起こるわけではなく、発症率はおよそ10%〜20%程度とされています。
また、抜け毛の量や期間には個人差があり、気付かない人もいるようです。
治療初期に抜け毛が増えたからといって過度に心配する必要はなく、経過を見守ることが大切です。
初期脱毛が起こる原因とメカニズム
AGA治療における初期脱毛とは、治療薬の作用によって乱れていたヘアサイクル(毛周期)が正常化される過程で、一時的に抜け毛が増える現象です。
急に抜け毛が増えて驚かれるかもしれませんが、これは多くの場合、髪の回復が始まっているサインでもあります。
髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」「脱毛期」という4つの周期があります。
通常、男性のヘアサイクルは3〜5年の成長期が中心ですが、AGAの進行によってこの成長期が極端に短くなり、休止期が長くなるのが特徴です。
その結果、髪が細く弱くなり、次第に抜けやすくなってしまいます。
治療薬としてよく使用されるミノキシジルは、血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで、休止期にとどまっていた毛包を、再び成長期に導く働きがあります。
休止期から成長期へシフトさせることにより、古い髪の毛が押し出されて抜けるため、初期脱毛が起こるのです。
初期脱毛で抜け落ちる毛は、もともとヘアサイクルが乱れていた髪であるため、過度に心配する必要はありません。
むしろ、これから健康な髪が生えやすくなる前兆として捉えて良いでしょう。
なお、ミノキシジルと併用されることが多い「フィナステリド」や「デュタステリド」といった内服薬は、初期脱毛が起こるリスクが比較的低いとされています。
これは、これらの薬が直接ヘアサイクルに働きかけるのではなく、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する「守りの治療薬」だからです。
ミノキシジルはヘアサイクルを活性化させる「攻めの治療薬」、フィナステリドやデュタステリドは抜け毛の原因を抑える「守りの治療薬」とされ、それぞれの働きに違いがあります。
どちらを使うかは、医師と相談しながら自分の状態に合った治療方針を選ぶことが大切です。
初期脱毛はいつまで続く?
AGA治療を始めた際に起こる初期脱毛は、一般的に治療開始から10日〜1ヶ月の間に始まり、1〜2ヶ月ほどで自然に治まることが多いとされています。
ただし、抜け毛の量や期間には個人差があり、体質や治療薬の使用状況によっては3ヶ月程度続く場合もあります。
抜け毛が長く続くと不安になりますが、初期脱毛は一時的な現象であり、徐々に新しい髪が育ち始める兆しであると理解することが大切です。
初期脱毛はミノキシジルが効いている証拠?
ミノキシジルを使用したAGA治療で起こる初期脱毛は、治療薬の効果があらわれ始めた証拠です。
初期脱毛は、ヘアサイクルが正常に戻り始め、古い髪が新しい髪に押し出されることで抜け毛が一時的に増える現象です。
治療が逆効果になっているわけではなく、ミノキシジルが毛根に働きかけているサインと受け止めましょう。
多くの場合、初期脱毛は1〜3ヶ月以内に治まるため、治療を中断せずに継続し、焦らず経過を見守ることが大切です。
また、初期脱毛は全員に起こるわけではなく、起こらない場合もあります。
初期脱毛が起こらないからといって、治療薬が効いていないとは限らないため、不安な場合は医師に相談してみてください。
初期脱毛が3ヶ月以上続く場合に考えられること
初期脱毛の継続期間には個人差があり、多くの場合は1〜2ヶ月で落ち着きますが、中には3ヶ月以上続くケースもあります。
このように長引く場合、単なる初期脱毛ではなく、他の要因が関与している可能性があるため注意が必要です。
例えば、円形脱毛症や脂漏性脱毛症、牽引性脱毛症など、AGAとは異なる脱毛症を発症している場合、適切な治療法がAGAとは異なります。
また、頭皮環境の悪化や生活習慣の乱れなどにより、AGAの治療効果があらわれにくくなる可能性もあります。
初期脱毛が3ヶ月以上続く場合、医師に相談するのはもちろん、バランスの取れた食生活や睡眠の質、適切なシャンプーやヘアケアの見直しといった、日常的なセルフケアもあわせて見直していくことが大切です。
初期脱毛の症状があらわれた時の対処法
続いては、AGA治療中に初期脱毛の症状が見られた場合の、適切な対処法を5つ紹介します。
初期脱毛は不安になりやすい現象ですが、正しく理解し、落ち着いて対応することが大切です。
抜け毛を観察する
まずは、実際に抜け落ちた毛の状態を確認してみましょう。
初期脱毛では、細くて短い毛が多く抜ける傾向があります。
これは休止期にあった髪が押し出されている状態であり、新しい髪が生え始める準備が進んでいる証拠です。
一方で、太くて長い毛が多く抜けるようであれば、AGAの進行や別の脱毛症の影響が考えられます。
このような場合には、自己判断せずに医師に相談するのがおすすめです。
抜け毛の本数や見た目、変化の経過を記録しておくと、診察時に役立つでしょう。
治療を止めない
初期脱毛の症状が出ると、不安から治療を中断したくなる方もいますが、それは逆効果です。
AGA治療薬は、数週間〜数ヶ月単位で効果があらわれ始めるため、途中でやめてしまうと十分な発毛効果が得られず、症状が悪化する可能性があります。
特にミノキシジルは「成長期」を促進する治療薬であり、初期脱毛はその副次的な反応です。
初期脱毛が続いている間も薬の服用や塗布を継続し、少なくとも3〜6ヶ月は経過を観察しましょう。
不安な場合は、自己判断で治療を止める前に、医師へ相談することが大切です。
生活習慣を整える
頭皮環境を健康に保つためには、生活習慣を整えることが大切です。
生活習慣が乱れていると、AGA治療を行っても、思うような効果が得られない可能性があります。
十分な睡眠を心がけ、適度な運動を行うなど、髪の健康をサポートするための生活習慣を心がけましょう。
過度な飲酒や喫煙はAGAのリスクを高めるため、控えることをおすすめします。
食生活においても、タンパク質やコラーゲン、ビタミンB群などの髪の毛に良いとされる栄養素を積極的に摂取することを意識してみてください。
生活習慣を整えれば初期脱毛が終わるわけではありませんが、AGA治療薬による治療効果がより得られやすくなるでしょう。
ストレスをためない
AGAの進行や治療効果に大きな影響を与えるのが、日常的なストレスです。
慢性的なストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、血行不良を引き起こします。その結果、頭皮に十分な栄養や酸素が届かず、毛母細胞の働きが低下してしまい、抜け毛が悪化する可能性があるのです。
初期脱毛の時期は「このまま続くのでは…」と不安になりがちですが、気にしすぎてストレスをため込むと、逆効果になることもあります。
日々の生活の中で適度な休息をとり、趣味や軽い運動などを通じてリラックスできる時間を確保しましょう。
また、非常に稀ではあるものの、AGA治療薬(とくにフィナステリド・デュタステリド)の副作用として、気分の落ち込みや抑うつ状態などが報告されています。
以下のような症状があらわれた場合は、自己判断で放置せず、医師に相談しましょう。
- 意欲の低下
- 集中力の低下
- 気分の浮き沈みが激しい
ひどい場合は医師に相談
初期脱毛の症状が3ヶ月以上続いたり、太くてしっかりした毛が大量に抜ける場合は、単なる治療初期の副反応とは限りません。
そのまま放置するとAGAが進行してしまうおそれもあるため、できるだけ早く医療機関で診察を受けることをおすすめします。
専門クリニックでは、マイクロスコープなどを使って頭皮の状態や毛髪の太さ、密度をチェックし、現在の治療が適切かどうかを判断してくれます。
また、必要に応じて薬の種類や使用量を見直し、より自分に合った治療法へと調整してもらうことが可能です。
例えば、ミノキシジルによる外用薬中心の治療で初期脱毛が強く出ている場合、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬を併用することで、DHTの抑制による抜け毛の進行を抑えながら、バランスよく発毛を促す治療が期待できます。
ただし、これらの内服薬はあくまで「抜け毛の進行を抑制する」ことが主目的で、ミノキシジルのような直接的な発毛効果はありません。
発毛・育毛を目指すなら、両者をうまく組み合わせることが大切です。
AGA治療の初期脱毛は薬が効いている証拠!不安なときは医師に相談しよう
AGA治療を始めたばかりの時期に「抜け毛が増えてきた」と感じたら、それは初期脱毛の可能性が高いです。
特にミノキシジルのような発毛促進薬を使用している場合、ヘアサイクルが正常化する過程で古い髪が押し出され、一時的に抜け毛が増えることがあります。
初期脱毛は、薬の効果が現れているサインであり、通常は1〜2ヶ月以内に自然と落ち着くことがほとんどです。
治療効果の一環と理解し、焦らず継続することが重要です。
ただし、「抜け毛が多すぎる」「初期脱毛が3ヶ月以上続いている」「頭皮に赤みやかゆみが出ている」など不安を感じる場合には、早めに医師に相談してください。
ユニティクリニックでは、AGA治療薬のオンライン処方を行っています。
ミノキシジルローションはもちろん、内服薬のフィナステリド、デュタステリドの処方も可能です。
オンライン診療は男性医師による10分程度の電話診療で、専用フォームまたはお電話から1分程度で予約が完了します。
また、「頭皮や抜け毛の状態を確認して欲しい」という場合には、上野駅前院および大宮院での外来診療にも対応可能です。
月曜〜土曜日は20時まで、日曜祝日も17時まで診察受付しております。
外来診療は予約なしでも受診可能ですので、お気軽にお越しください。
監修者
院長 髙嶋 政浩
平成元年 | 杏林大学医学部医学科卒業 |
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平成元年 | 杏林大学医学部附属病院 |
平成8年 | 西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任 |
平成12年 | 大手美容外科クリニック |
令和3年 | ユニティクリニック |