2025/10/9

未成年はバイアグラを服用できるのか?10代のEDについて徹底解説

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Ⅰ.10代のバイアグラ服用制限について

1.10代のEDについて

EDは中高年男性に多いとされているものの、EDの発症には加齢による肉体的な要因だけでなく、精神的な要因も影響するため、実際には10代でも、EDになる可能性があります。学業や恋愛関係などの精神的なストレスや不安が長期間続くと、性的な刺激への反応が鈍くなり、EDになることがあります。また、性行為中の焦りや緊張がEDのきっかけになることもあります。ただし、10代で発症したEDは適切に対処すれば改善が見込めます。EDの原因と治し方を知っておくことが大切です。

(1)10代のEDの原因

10代のEDの主な原因は、身体的要因よりも精神的要因が強いと考えられています。

①心理的要因
【性行為の経験不足による緊張や焦り】初めての経験に対する不安や、過去の性行為での失敗経験がトラウマとなり、EDにつながることがあります。
【自身の身体や男性器へのコンプレックス】自分の身体や性器に対して自信が持てないことが、精神的なプレッシャーとなりEDを引き起こすことがあります。
【幼少期のトラウマ】特に性的虐待などの経験は、性行為に否定的な感情を抱かせたり、過度の不安や緊張を引き起こしたりするため、EDの原因となる可能性があります。
【慢性的なストレス】学業、人間関係、将来への不安など、日々のストレスがEDに影響を与えることがあります。
【過剰な性的刺激】インターネットなどからの過度な性的刺激映像や足ピンオナニー等の強刺激オナニーに慣れてしまうことで、実際の性行為で興奮しにくくなることも指摘されています。

②精神疾患とその治療薬の要因
【うつ病や不安障害】これらの精神疾患は、性的な関心の低下や過度の不安・緊張を引き起こし、EDの原因となることがあります。また、これらの疾患の治療に用いられる抗うつ薬や抗不安薬の副作用としてEDが起こることもあります。

③生活習慣の要因
睡眠不足、アルコールやタバコの影響:これらの不健康な生活習慣もEDの一因となる可能性があります。

(2)10代のEDの特徴

10代のEDは、精神的な要因が大きいため回復する可能性が高いと言われています。
【朝立ちの有無を確認】

朝立ちがある場合:自慰行為が問題なくでき、朝立ちも確認できる場合は、勃起機能自体は正常である可能性が高く、過度に心配する必要はありません。

朝立ちが減少している場合:朝立ちが減ってきたと感じる場合は、勃起機能が衰えているサインかもしれません。

(3)10代のEDの治療

①ED治療薬の使用について
未成年者に対するED治療薬の処方は、一般的ではありません。
【安全性未確立】バイアグラ、シルデナフィル、シアリスなどのED治療薬は、未成年者での安全性が十分に検討されていません。これらの薬は成人男性を対象として研究されているため、未成年者が使用した場合の危険性については明確なデータがないためです。
【処方の現状】多くのクリニックでは未成年者へのED治療薬の処方を控えています。薬の説明書には未成年者への禁忌とは明記されていないものの、安全性が確立されていないことが主な理由です。

②未成年者でも受けられるED治療
未成年者の場合、ED治療薬以外の方法が中心となります。
【心理カウンセリング】性的な自信の欠如、幼少期のトラウマ、うつ病や不安障害など精神的な要因によるEDが多いことから、心理カウンセリングが主な治療法となります。
【生活習慣の改善】パートナーとの悩みの共有したり、性行為に対する考え方を見直したり、足ピンオナニー等の過度な自慰行為をやめたりすることが推奨されます。ストレスの解消、十分な睡眠時間の確保、適度な運動など心身の状態を整えること、バランスの取れた食生活、飲酒量の調整と禁煙が大切です。
【専門医への相談】EDの原因を特定するために、まずは性機能学会認定専門医がいるクリニックを受診し、検査を受けることが推奨されます。ホルモンバランスの検査や自律神経のバランス測定、睡眠時無呼吸症候群の検査なども行われることがあります。
【EDサプリメント】当院では10代の方でも服用できるDHEA(医療用ホルモン補充剤)、亜鉛といったEDサプリメントも処方していますので、一人で悩まず当院にご相談ください。

2.未成年者のバイアグラ服用制限の理由

民法の改正により、2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳になりましたが、 バイアグラを未成年が使えない理由の一つは、この民法改正前の成年年齢20歳を基準にした医学的リスクであり、もう一つの理由は民法改正後の成年年齢18歳を基準にした 法的リスクです。

(1)医学的リスク

バイアグラは、20歳以上の成人男性のED(勃起不全)治療薬として開発されました。そのため、未成年者における効果や安全性に関する臨床試験は実施されていません。バイアグラの製造販売会社ヴィアトリス製薬(※1)が作成したインタビューフォーム、製品情報(※2)でも、20歳未満での安全性は検討されておらず、成長期の未成年者がバイアグラを服用した場合に、どのような影響があるのか、長期的な健康へのリスクがあるのかもまだ分かっていないため、処方を禁止しています。

(※1)→ヴィアトリス製薬とは?ファイザーとの関係や製造しているED治療薬について解説

(※2)→バイアグラ錠25mg_1_1.pdfVGR659001M_製品情報概要.pdf

(2)法的リスク

①バイアグラ服用による性行為の法的リスク
バイアグラはED治療薬であり、その目的は性行為における勃起をサポートすることです。そのため、ED治療薬を服用しての未成年者の性行為には、法的リスクが指摘されており、医療機関としても安易な処方は避けるべきという判断があります。法的リスクとは、未成年者との性行為は、相手が同意していたとしても、犯罪として処罰される可能性があるというリスクです。

②処罰対象となる年齢
未成年と性行為をした場合に本人の同意があっても罰せられるのは、刑法上、相手方が16歳未満の場合に限られています。しかし、他の法律や条例では相手方が18歳未満に引き上げられています。したがって、相手方の年齢の見極めでまず重要なのは、相手方が18歳に達しているか否かということです。

③関連法令等

【青少年保護育成条例等違反の罪】

青少年保護育成条例は、各都道府県が、青少年の健全な育成を図ることを目的として定めている条例です。18歳未満を「青少年」などと定義し、それらの者と性行為を行うことに対する規制を設けています。

【児童買春・児童ポルノ等禁止法違反の罪】

児童買春・児童ポルノ等禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)では、18歳未満を「児童」と定義し(同法2条1項)、児童買春を行った場合は5年以下の懲役または300万円以下の罰金を科しています(同法4条)。

【不同意性交罪・不同意わいせつ罪】
〈基本的な行為類型〉

不同意性交罪・不同意わいせつ罪は、相手方の真摯な同意がない状態で性行為を行った場合に成立する犯罪です。不同意性交罪は「性交等」、不同意わいせつ罪はそれに至らない「わいせつな行為」が対象となります(刑法177条、176条)。

〈13歳未満との性交等〉

性行為の相手が13歳未満であれば、同意があっても常に不同意性交罪・不同意わいせつ罪が成立します。

〈13歳以上16歳未満との性交等かつ「満5歳以上」年長〉

性行為の相手が16歳未満の場合には、自分の誕生日が相手の誕生日より5年以上前の場合、つまり5歳以上年長であれば、不同意性交罪・不同意わいせつ罪が成立します。

【出会い系サイト規制法違反の罪】

出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)は、いわゆる「出会い系サイト」を通じて児童を性行為等に誘引する行為を禁じています(同法6条1号)。

【関連する犯罪】

自分自身が未成年と性交をするに至らなかった場合でも、犯罪が成立してしまうケ ースもあります。

〈未成年者略取罪〉

家出した未成年者を保護者に無断で自分の家に泊めた場合には、性行為等に至らなくても、未成年者略取罪が成立する可能性があります。刑罰は3か月以上7年以下の懲役です(刑法224条)

〈児童福祉法違反の罪〉

児童福祉法違反では、18歳未満の者を「児童」と定義し、児童に淫行させる行為を禁じています(同法34条1項6号)。

Ⅱ.今後のED治療薬の18歳以上処方について

3.成年年齢の18歳へ引き下げの影響(※3)

成年年齢が、2022年4月から、20歳から18歳に引き下げられました。「成年になると何が変わるのか」、「私たちの暮らしにどのような影響がもたらされるのか」を以下で確認しましょう。

(1)成人年齢・婚姻年齢の変更内容

令和4(2022)年4月1日から民法の定める成年年齢を18歳に引き下げることなどを内容とする「民法の一部を改正する法律」が施行されました。また、婚姻することができる年齢も、男性18歳、女性16歳とされていましたが、男女とも18歳になりました。

(2)成年と未成年の差

民法が定めている成年年齢は、「一人で契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があります。成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになるということです。

(3)成年年齢引下げで変わる点・変わらない点

【成年年齢前と変わる点】
18歳(成年)になったらできること
①親の同意がなくても契約できる
・携帯電話の契約
・ローンを組む
・クレジットカードをつくる
・一人暮らしの部屋を借りる
 等
②親権者の同意なく結婚できる
女性の結婚可能年齢が男女とも18歳に
③選挙権がある(2016年に改正)
10年有効のパスポートを取得する 等
(なお、普通自動車免許の取得は従来と同
様、「18歳以上」で取得可能)
【成年年齢前と変わらない点】
20歳にならないとできないこと
飲酒をする
喫煙をする
競馬、競輪、オートレース、競艇の投票
券(馬券など)を買う
 等

(※3)→18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。 | 政府広報オンライン

4.成年年齢の18歳へ引き下げのED治療への影響

上記「2.未成年者のバイアグラ服用制限の理由」で説明しました様に、「医学的リスク」と「法的リスク」から医療機関では、ED治療薬の未成年者への処方は控えられています。しかし、法的リスクにつきましては、成年年齢の18歳への変更により、18歳、19歳の成年者について評価に変化の余地が生じ始めています。

(1)法的リスクの評価の変化

18歳以上は両性の合意があれば性行為は合法と認められている点、18歳以上は親の同意がなくとも結婚が可能で各種の契約締結が認められた点等を踏まえると、18歳以上の既婚者で就業による収入がある場合は、従来の20歳以上の成人と同等にED治療を受ける余地が出てきていると考えられます。しかし、20歳未満のED治療薬の臨床検証が行なわれていないという医学的リスクは残っていますので、直ぐに18歳、19歳でバイアグラ等の全てのED治療薬の服用が可能になのは時期尚早といえます。

(2)ED治療薬シアリスの18歳以上服用に向けた新たな動き

シアリスは、現在、医師の処方が必要な医療用医薬品ですが、将来的に薬局でも購入できるようになる可能性があります。2025年9月18日に厚生労働省の専門部会でシアリスの市販化が承認され、2026年末までに市販化されることを目標としています。(※4)シアリスの市販化については、以下の2点が注目点です。

① 市販化が実現すれば、薬局やドラッグストアで薬剤師からの説明を受けた上で購入できるようになる見込みです。つまり、医療機関の受診が不用になります。

② 現在シアリスの処方は20歳以上になっていますが、市販化された場合、18歳以上 の方が購入可能となると言われています。

(※4)→ED治療薬「シアリス(タダラフィル)」、処方箋不要の市販転用を審議 厚労省部会 - 日本経済新聞ED治療薬、初の市販化了承 エスエス製薬「シアリス」―薬剤師の指導条件・厚労省部会:時事ドットコム

最後に

当院では、バイアグラ等のED治療薬の処方は、20歳から行なっております。一方、上 述しましたように、18歳・19歳のED治療に関する医療行政にも変化か生じてきていますので、当院は、こうした状況の変化を注視して参ります。なお、当院では10代の方でも服用できるDHEA(医療用ホルモン補充剤)、亜鉛といったEDサプリメントも処方していますので、一人で悩まず当院にご相談ください。

《出典》

(※1)→ヴィアトリス製薬とは?ファイザーとの関係や製造しているED治療薬について解説

(※2)→バイアグラ錠25mg_1_1.pdfVGR659001M_製品情報概要.pdf

(※3)→18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。 | 政府広報オンライン

(※4)→ED治療薬「シアリス(タダラフィル)」、処方箋不要の市販転用を審議 厚労省部会 - 日本経済新聞ED治療薬、初の市販化了承 エスエス製薬「シアリス」―薬剤師の指導条件・厚労省部会:時事ドットコム

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監修者

院長 髙嶋 政浩

平成元年杏林大学医学部医学科卒業
平成元年杏林大学医学部附属病院
平成8年西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任
平成12年大手美容外科クリニック
令和3年ユニティクリニック

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