2025/6/19
EDとオナニー(自慰行為)の関係は?正しいやり方と頻度を解説
ED(勃起不全)に悩む男性の中には、「オナニー(自慰行為)のやりすぎが原因では?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、オナニーのやり方や頻度によっては、性的な刺激に対する感度が鈍くなり、EDの原因や悪化につながることもあります。
この記事では、EDとオナニーの関係についてわかりやすく解説するとともに、体に負担をかけない正しいオナニーの方法や、適切な頻度の目安を紹介します。
EDの原因はオナニー(自慰行為)のやり過ぎ?
ED(勃起不全)は、加齢や血流の問題、ストレス、生活習慣など、さまざまな要因が重なって起こる症状です。「オナニーのしすぎが原因ではないか」と不安を抱く方も多いですが、オナニーの回数自体がEDの直接的な原因になることは少ないとされています。
重要なのは、オナニーの「やり方」や「習慣」です。
例えば、強すぎる刺激(過度な握力や特殊な道具の使用)、映像に過度に依存した方法、うつ伏せや座位など不自然な姿勢を続けると、脳や身体がその刺激に慣れてしまい、実際の性行為で性的な興奮を得にくくなることがあるのです。
EDには、主に以下の4つのタイプがあります。
器質性ED | 加齢による男性ホルモンの低下や、血流の減少によるもの |
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心因性ED | ストレスや性的なトラウマなど心理的な原因によるもの |
薬剤性ED | 降圧剤や抗うつ薬など、薬の副作用によるもの |
混合性ED | 心因性ED、器質性ED、薬剤性EDのうち、2つ以上の要因が組み合わさって発生するもの |
このうち、オナニーとの関係が深いのは「心因性ED」と「混合性ED」です。 過剰な自慰行為や性的刺激への依存が、実生活での性反応に悪影響を及ぼすことがあるため、心身のバランスを崩さないような習慣づくりが大切です。
EDになりやすい間違ったオナニー(自慰行為)のやり方
オナニー(自慰行為)は、性欲を健康的に発散する手段として多くの人にとって自然な行為です。
しかし、やり方を間違えると、勃起不全(ED)や射精障害を引き起こす原因になることがあります。
続いては、EDのリスクを高める間違ったオナニーのやり方と、改善のヒントを紹介します。
過剰な握力や摩擦
強く握ったり、床やマットにこすりつけたり、異常に速いピストン運動で刺激を与えるオナニーは、性器に過剰な負荷をかけます。
強い刺激に陰茎が慣れてしまうと、実際の性行為で得られる刺激では満足できなくなるほか、摩擦が皮膚にダメージを与えてしまうため、注意しましょう。
短時間で射精する
時間がない中で急いでオナニーを済ませる習慣を続けていると、脳と身体が「短時間での射精」に適応してしまい、性行為中も早くフィニッシュしてしまう傾向が強まります。
これが早漏やEDの原因になることもあるため、注意が必要です。
快楽の質を高めるには、5〜10分程度かけてじっくりと行う意識が重要になるでしょう。
ポルノ依存
AVや過激なジャンルのポルノに頼りすぎたオナニーは、視覚刺激への依存を強めます。
現実の性行為ではAVほどの視覚的・性的刺激がないため、興奮しにくくなり、EDや性的満足度の低下を招いてしまうのです。
「性欲はあるのに、現実では勃起しない」という状態は、心因性EDの典型です。
時には映像を使わず、パートナーとの行為をイメージして脳内で刺激する工夫が必要になるでしょう。
足ピンオナニー
両足を伸ばしてつま先に力を入れた状態で行う「足ピンオナニー」は、強い刺激を得やすい反面、特定の姿勢でしか快感を得られないという弊害があります。
習慣化すると、一般的な体位では満足できず、結果的に勃起や快感の維持が難しくなることもあるでしょう。
足ピンオナニーに慣れてしまっている場合は、あぐらをかき、足を伸ばせない体勢での刺激に慣れる「あぐらオナニー」を習慣化することをおすすめします。
オナニーでも、実際の性行為に近い姿勢で刺激を与えることを意識してください。
長時間・毎日複数回
オナニーの頻度や回数そのものがEDの直接的な原因になることは少ないと言われていますが、頻繁に長時間オナニーをすることは、体力の消耗だけでなく、性的な興奮に対する感受性を低下させる要因になります。
毎日複数回オナニーをしている場合、陰茎が常に軽度の刺激状態にあるため、いざというときに十分な勃起を得られなくなるケースもあるでしょう。
オナニーを毎日すること自体は問題ありませんが、1回あたり10~20分程度にとどめ、適度な間隔を空けることが、性的な健康を保つうえで重要です。
半勃起状態
陰茎が中途半端に硬い「半勃起状態」で射精する癖を続けていると、脳が「完全な勃起は不要」と学習してしまい、性行為中に十分な勃起を得られなくなる場合があります。
性行為に近い状態を再現するよう心がけ、できるだけ完全な勃起状態で行うようにしましょう。
EDにならない正しいオナニー(自慰行為)のやり方は?
間違ったオナニー(自慰行為)の習慣がED(勃起不全)の引き金になることはありますが、オナニー自体が悪いわけではありません。
実際に、適切な頻度と方法で行うオナニーには、性欲のコントロールやストレス軽減、前立腺の健康維持、性的機能の確認といったプラスの効果もあります。
そのため、「EDを防ぎたいからオナニーをやめるべき」と考えるのではなく、性機能に悪影響を与えない正しいやり方を身につけることが大切です。
ここからは、ED予防に効果的なオナニーのポイントを4つ紹介します。
やさしい刺激で行う
オナニーの際は、手で陰茎をやさしく包み込むように握るのが理想です。
強く握ったり、摩擦をかけ過ぎると陰茎の神経や血管にダメージを与える可能性があるほか、実際の性行為との刺激差が大きくなり、満足感が得られにくくなります。
「これまで強い刺激でのオナニーに慣れていた」という方には、潤滑剤(ローション)の使用をおすすめします。
潤滑剤を使えば、摩擦を減らし、滑らかで自然な感触に慣れることができます。
また、オナニーのスピードにも注意しましょう。急いで射精しようとせず、一定のリズムで快感をコントロールする意識を持つことで、勃起の持続力が鍛えられます。
ポルノ動画に依存しない
オナニーをするときは、なるべくポルノ動画の使用を控え、過去の体験やイメージを思い浮かべるなど、「想像力」や「記憶」による刺激を活用するのがおすすめです。
どうしても動画が必要な場合は、徐々に過激なジャンルから離れ、よりリアルな内容や刺激の少ないコンテンツに移行することから始めてみてください。
実際の体勢に近づける
オナニーを行う際は、仰向け・座位・立位など、性行為に近い姿勢を意識するのがおすすめです。
特に足ピンオナニーが習慣化している場合は、足の力を抜いた姿勢に慣れることで、自然な勃起や快感が得られやすくなります。
また、陰茎の向きや手の動きも、実際の性行為に近づけるようにしましょう。
自然な姿勢を取り入れ、感覚のギャップを減らすことで、スムーズな性的反応が期待できます。
リラックスした状態で行う
オナニーは、単に射精するための手段ではなく、性的快感を味わうプロセスそのものを楽しむ時間としてとらえることが大切です。
「部屋の明かりを落とす」「落ち着ける音楽を流す」「スマホを手放して集中できる環境を整える」など、五感を使ってリラックスできる状況をつくることで、自律神経のバランスも整い、より自然な性的反応が得られるでしょう。
ストレスや不安を感じたまま行うオナニーは、脳内の興奮とリラックスの信号が混乱し、勃起しづらくなる原因にもなるため、心の状態にも気を配ることがED予防につながります。
オナニー(自慰行為)の適切な頻度は?
オナニー(自慰行為)の頻度には個人差があり、「週◯回が理想」という明確な正解はありません。
性欲の強さ、年齢、体力、ストレスの有無などによって最適なペースは異なります。
一般的な目安としては、週に2〜3回程度のオナニーであれば体への負担が少なく、性機能を維持するうえでもバランスがとれた頻度といわれています。
しかし、これはあくまで参考値であり、実際には毎日したい方もいれば、週1回で十分という方もいるでしょう。
大切なのは、自分の心身の状態に合ったペースを見つけることです。
疲れている日や、気分が乗らないときに無理に行う必要はありません。
「やらなければ」という義務感で続けると、性欲や快感そのものが低下してしまう可能性もあります。
無理のない頻度で、気持ちよくオナニーを行うことが、EDの予防や性機能の健全な維持につながります。
正しいオナニー(自慰行為)と生活習慣でEDを予防しよう
ED(勃起不全)は、加齢やストレス、生活習慣の乱れだけでなく、間違ったオナニーの習慣からも引き起こされる可能性があります。
オナニー自体は性機能の確認やストレス発散に役立つ、健全な生理的行為です。
大切なのは、強すぎる刺激や依存的な視覚刺激に頼らず、実際の性行為に近い姿勢やペースを意識して、心と体に負担をかけない方法で行うことです。
また、ED予防には、適度な運動やバランスの取れた食生活、十分な睡眠といった基本的な生活習慣の見直しも、欠かせません。
正しいオナニーと健やかなライフスタイル、無理なく続けられる習慣を身につけ、安心して性生活を楽しめる体づくりを目指しましょう。
もし既にEDの症状にお悩みの場合は、早めに専門クリニックの受診をおすすめします。
医師に直接相談することに抵抗を感じる方、病院を受診する時間がない方は、オンライン診療をご活用ください。
ユニティクリニックでは、男性医師による音声通話のみのオンライン診療で、ED治療薬の処方を行っております。
初診料・診察料は無料で、お薬は郵送にてご自宅までお届けいたしますので、お忙しい方にもおすすめです。
EDはデリケートな悩みですが、放置せず、適切な治療を受ければ、症状の改善も見込めます。
ぜひ、ユニティクリニックのオンライン診療でお気軽にご相談ください。
監修者
院長 髙嶋 政浩
平成元年 | 杏林大学医学部医学科卒業 |
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平成元年 | 杏林大学医学部附属病院 |
平成8年 | 西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任 |
平成12年 | 大手美容外科クリニック |
令和3年 | ユニティクリニック |