2024/6/5
リベルサスの副作用と対処法を徹底解説
1.リベルサスについて(※1)
【リベルサスとは】
リベルサスとは、GLP-1受容体作動薬の一つで2型糖尿病の治療薬として日本でも承認を受け、患者さんに使われている薬です。また、食欲を抑える効果があることから、メディカルダイエットのお薬としても使われるようになっており、海外では高度肥満症の治療薬としても承認を受けています。リベルサスは、メディカルダイエットの一つである GLP-1ダイエットとして処方されています。
(※1)→リベルサス錠処方|オンライン診療購入-最短即日発送、GLP-1ダイエットの効果や副作用を徹底解説
【ダイエット治療】
〔メディカルダイエット〕
メディカルダイエットとは、医師の指導を受けながら肥満治療を受けることです。過度なトレーニングや食事制限なしで、医師の指導による医学的根拠に基づくダイエットです。
〔GLP-1ダイエット〕
GLP-1ダイエットとは、医師の処方する「GLP-1受容体作動薬」によって食欲をコントロールするメディカルダイエットの一つです。従来からGLP-1受容体作動薬は注射薬のみでしたが、2020年より注射の必要がない内服薬の「リベルサス」の処方が始まりました。
【ダイエット作用】
〔食欲を抑制〕
リベルサスには、食欲を抑制する効果があります。リベルサスが誘導するGLP-1には脳の満腹中枢に働きかける作用があり、この働きで食欲がゆっくり低下します。食欲を抑えることで過食や暴飲暴食、無駄な間食を避けられるようになります。
〔食事量の減少〕
リベルサスの服用で、食事量を抑えるメリットが得られます。リベルサスには、食べ物の消化がゆっくり進むように働きかける作用があり、満腹感を感じやすくなります。満腹感を感じやすくなれば、自然と食事量も減少していきます。
〔脂肪燃焼と代謝の促進〕
リベルサスには、基礎代謝を上げて脂肪の消費を促進する効果もあります。GLP-1の働きで脂肪細胞の熱産生が進み、基礎代謝が向上し、脂肪の分解が進み、減量につながります。
〔運動併用によるダイエット効果向上〕
運動とリベルサスとの組み合わせで、よりダイエット効果を引き出しやすくなります。リベルサスを服用して基礎代謝が上がれば、有酸素運動による脂肪燃焼が加速し、ダイエットが順調に進むことが期待できます。
2.GLP-1受容体作動薬の比較
GLP-1受容体作動薬には、「注射薬」と「内服薬」があり、糖尿病薬としては、従来からの注射薬として処方されるビクトーザ・オゼンピックと、新タイプの飲むだけの内服薬リベルサスの比較は以下のとおりです。
製品名 (糖尿病治療薬) |
リベルサス | オゼンピック | ビクトーザ (※2) |
---|---|---|---|
国内承認 | 2020年6月 | 2018年3月 | 2010年1月 |
種類 | 内服薬 | 注射薬 | |
有効成分 | セマグルチド | リラグルチド | |
用法用量 | 1日1回、空腹時に120ml以下の水で 1錠服用するだけ |
1週間に1回 自己皮下注射 |
1日1回 決まった時間に 自己皮下注射 |
特徴 | 飲むだけ | 治療用量を細かく調整できる 注射の痛みなどの不安あり 冷蔵庫保管(2~8℃温度管理)必要 |
|
価格相場 | 15,000円前後 /月 | 20,000円前後 / 月 | 25,000円前後 / 月 |
当院グループ価格 詳しくは→(※1) |
5,850円~/月 | 処方なし | 処方なし |
3.リベルサスの副作用(※3)
→「リベルサス添付文書」pi_rybelsus_tab.pdf (msdconnect.jp)
リベルサスには、服用する上で留意しなければいけない副作用としては、通常の「体調に影響する副作用」だけでなく、「リベルサス」独特の副作用として「有効成分が吸収されず期待されたダイエット効果が得られない副作用」もありますので、注意が必要です。
【有効成分が吸収されない副作用と対処法】
〔吸収率の抜本的改善〕
GLP-1受容体作動薬はペプチドホルモンであるため、服用しても胃で分解されてしまい、体内に吸収できませんでした。そのため、従来は「痛みの不安のある注射薬」しかありませんでした。しかし、2020年になって、吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)300mgを含有することで、胃でのタンパク質分解酵素からセマグルチドを保護し、吸収を促進することで経口投与が可能となりました。それが「リベルサス」です。
〔有効成分が吸収されない服用〕
〈重要ポイント〉
SNAC300mgが胃でのタンパク質分解酵素からセマグルチドを保護し、吸収を促進できる「胃の中の環境」で服用しないと、セマグルチドが吸収されず、ダイエット効果が出ない可能性があります。「必ず守る服用法」は以下のとおりです。
〈必ず守る服用法〉
◆空腹時(起床時)に服用する
リベルサスは1日の最初の飲食の前に服用する必要があります。これは胃の中に食べ物や飲み物がある状態で服用すると、有効成分が吸収されなくなるためです。起床時を推奨します。
◆120ml(コップ半分)以下の水で服用する
服用する際の飲水量が120mlと240mlとを比較した場合、水分量の多い240mlの方がSNACの保護作用が低下し、吸収効率が低下すると研究で分かっています。(※3)そのため、水120cc(コップ半分)以下で服用するように指示されています。
◆同時服用はダメ
多量の水、コーヒー、お茶、服薬ゼリーなどでの同時服用は止めましょう。
◆服用後少なくとも30分は飲食・薬服用禁止
有効成分セマグルチドの胃からの吸収促進のために少なくとも30分以上は、胃を空にする必要があります。30分あれば作用に必要な曝露量(吸収量)が得られるということです。この30分間は他の薬、サプリ、水、食事すべて胃に入れないことが重要です。
◆昼に起床した場合の服用
胃の中が空の状況であれば昼でも構いません。血中濃度の安定のためには、なるべく1日の中で同じ時間帯で服用するのが望ましいですが、多少変動しても構いません。
◆水や朝食を摂った後の服用はダメ
水や朝食を摂ってしまったらその日の服用は止めましょう。胃の中が空でないと有効成分の吸収は望めないからです。胃の内容物は2?3時間、量や脂質が多い食事だと4?5時間滞留すると言われています。リベルサスなどのGLP-1受容体作動薬は胃の動きを抑える作用があるため、さらに長い時間がかかると考えられるからです。
◆1回に2錠服用はダメ
例えば14mg錠の代わりに7mg錠2錠服用などのケースです。これも水とSNACの量が関係します。リベルサスは3mg、7mg、14mgの規格がありますが、全てに1錠あたりSNACが300mg含まれています。製剤1錠(SNAC 300mg)に対して、水120cc以下での服用が推奨をされています。SNACは多すぎても少なすぎても有効成分吸収に影響を及ぼす可能性があり、 7mgを2錠(SNAC600mg)服用した場合と、14mgを1錠(SNAC300mg)服用した場合では、7mg2錠の方がSNAC量過多で作用が低下する可能性があります。適切な吸収を促すために、1回1錠の服用を厳守しましょう。
◆錠剤の分割・粉砕・かみ砕いて服用はダメ
リベルサス1錠の錠剤の表面積に対して120ml以下の飲水量が決まっています。錠剤の分割・粉砕及びかみ砕くことで錠剤の表面積が増加し、飲水120ml以下とのバランスが崩れ、効果が低下する可能性があります。錠剤はそのまま服用してください。
◆保管・開封方法
湿気と光の影響を受けやすいため、服用直前に PTPシート(包装シート)から取り出すようにしてください。PTPシートも縦に切り取り線はありません。繊細な薬ですので、シートを縦に切って1錠単位で分けるようなことは行わないようにしましょう。
?服用法のまとめ?
《SNACによる胃液からのセマグルチド保護作用》
ダイエット有効成分セマグルチド→胃液で分解→吸収されずダイエット効果なししかしダイエット有効成分セマグルチド+ SNAC300mg→胃液分解されず吸収そこで胃内のSNACによるセマグルチド保護効果の促進が必要
そのためダイエット有効成分セマグルチドの吸収率を高めるために下記の服用法が必要
⇓
《吸収促進のために必ず守る服用法3点》
・1日、1回、起床時(空腹時)に1錠
・ 120ml以下(コップ半分以下)の水で服用
・服用後、少なくとも3 0分は、飲食、薬服用禁止
【体調に影響する副作用と対処法】→(※3)
〔主な副作用〕
リベルサスの副作用としては、主に吐き気や腹痛、下痢などの胃腸障害です。
〈吐き気・下痢(頻度5%以上)〉
リベルサスの代表的な副作用は悪心(吐き気)・下痢です。発生確率は5%以上とそのほかの症状と比べて生じやすく、その意味でとくに警戒が必要です。症状はしばらくすると落ち着いてきますので、安静を保ちながら様子を見ましょう。吐き気や嘔吐がひどくなったり、症状が長引いたりする場合は医師に相談しましょう。
〈食欲減退・頭痛・嘔吐・便秘(頻度1~5%未満)〉
嘔吐や腹痛、消化不良、便秘などの胃腸障害は1~5%未満の確率で発生するといわれます。人によっては食欲の減退や頭痛が生じることもあります。これらの症状も、先ずは様子を見ることが大切です。もし症状がおさまらない場合は医師に相談しましょう。
〔ごくまれに起きる重大な副作用〕
リベルサスの服用では「低血糖」「急性膵炎」などごくまれに起こる重大な副作用があります。
〈低血糖(頻度不明)〉
・ダイエット・運動:「低血糖」は、糖質ダイエットなど過度な食事制限や激しい運 動を続けたうえにリベルサスを服用すると起きやすくなります。リベルサスには、インスリンの分泌を促し血糖値を抑える働きがあります。ダイエットに励む方は、通常と比べ血糖値がある程度抑えられている状態です。そこへ血糖値を抑えるリベルサスを服用すると低血糖を招きやすくなるわけです。
・糖尿病薬併用:他の糖尿病治療薬と併用すると、低血糖症状を誘発する恐れがあるた め避けるようにしましょう。医師との相談が必要です。
・症状:体内の糖分が不足する低血糖状態になると、以下のような症状が現れます。
めまい/動悸/震え/冷や汗/顔面蒼白/集中力の低下/吐き気/脱力感/倦怠感。
低血糖が悪化すると意識障害の恐れもあり、大変危険です。上記の症状が頻繁に現れる場合は早めに医師に相談しましょう。
〈急性膵炎(頻度0.1%)〉
リベルサスは膵臓に直接働きかけてインスリンの分泌を促すお 薬です。そのため、膵臓に負担をかけて急性膵炎を引き起こす恐れもあります。急性膵炎にみられる主な症状は、嘔吐をともなう激しい腹痛や背部痛などです。急性膵炎は極めてまれに発生する副作用ですが、万が一これらの異常が認められた場合、すぐに服用を中止して、医師に相談する必要があります。
〔その他の副作用〕(黄色部分:起きやすい副作用)
5%以上 | 1~5%未満 | 0.5~1%未満 | 頻度不明 | |
---|---|---|---|---|
免疫系障害 | 過敏症 (発疹、じんま疹等) |
|||
代謝及び栄養障害 | 食欲減退 | |||
神経系障害 | 頭痛 | 浮動性めまい、味覚異常 | ||
眼障害 | 糖尿病網膜症 | |||
心臓障害 | 心拍数増加 | |||
胃腸障害 | 悪心、下痢 | 便秘、嘔吐、 腹部不快感、 腹痛、消化不良、 上腹部痛、 腹部膨満、 胃食道逆流性疾患 |
鼓腸、胃炎、 おくび | 胃排出遅延 |
肝胆道系障害 | 胆石症 | |||
前進障害及び 投与部位状態 | 疲労、無力症 | |||
臨床検査 | リパーゼ増加 | 体重減少、 血中クレアチンホスホキナーゼ増加、 アミラーゼ増加 |
〔副作用の期間〕
吐き気や下痢、嘔吐などの胃腸障害に関しては、 1週間程度でおさまるケースがほとんどです。ただし個人差があり、長引く人で2~3週間程度続きます。症状がおさまらない場合はすみやかに医師に相談しましょう。低血糖にみられる症状がひどかったり、急性膵炎と思われる症状が現れた場合はすぐに投与を中止し、医師による適切な処置を受けてください。
〔副作用の対処法〕
〈胃腸系症状〉
吐き気や下痢などの胃腸系症状の場合、お腹を圧迫させないようにすることが大切です。ベルトは緩め、コルセットなど腰に巻いているものも外しましょう。また、うつ伏せになるのもお腹を圧迫してしまうので、横向きでひざを曲げながら横になりましょう。また、食事に関しては消化に優しいおかゆや海藻類などを摂り、胃腸への負担を軽くする配慮が必要です。さらに、下痢は体内の水分が多く排出されるため、普段よりも多めに水を飲みましょう。
〈低血糖〉
めまいや手足の震えなど低血糖による症状が出た場合は、ブドウ糖を摂取することが大切です。ブドウ糖10gまたはブドウ糖入りの清涼飲料水や飴を摂取し、治まってきたら炭水化物を早めに摂るようにしましょう。
〈急性膵炎〉
急性膵炎が発症すると腹痛が激しかったり嘔吐が続く場合があります。これらのような症状が出たらリベルサスの服用をやめ、速やかに医師に相談しましょう。
4.リベルサスの留意事項
【リベルサスを服用できない方】
重度の胃腸障害 (胃潰瘍、炎症性腸疾患など)、膵炎や甲状腺疾患の既往、低血糖を起こす可能性が高い方(糖尿病、妊娠中または 2か月以内に妊娠を予定している、授乳中)は服用できません。
【リベルサス服用で注意が必要な方】
健康状態によっては慎重な服用が必要になります。
〔膵炎の既往歴がある方〕
リベルサスは急性膵炎を起こすおそれがあるためです。
〔重度の胃腸不全麻痺など、重度の胃腸障害がある方〕
胃腸障害の症状が悪化するおそれがあるためです。
〔低血糖を起こすおそれがある方〕
脳下垂体機能不全・副腎機能不全のある方、栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取・食事摂取量の不足による衰弱状態にある方、激しい筋肉運動や過度のアルコール摂状態にある方などです。
〔胃の摘出術を受けた方〕
リベルサスは胃で吸収されるため、有効性が不透明なためです。
〔高齢者〕
一般的に生理機能が低下しているためです。
【リベルサスとの併用で注意が必要な薬】
リベルサスには、併用禁忌薬に該当するお薬はありませんが、併用する際に注意が必要な薬があります。
〔糖尿病治療薬〕
ビグアナイド系薬剤/スルホニルウレア剤/速効型インスリン分泌促進剤/α-グルコシダーゼ阻害剤/チアゾリジン系薬剤/DPP-4 阻害剤/SGLT2 阻害剤/インスリン製剤など、これらの糖尿病治療薬との併用は、血糖値を下げる作用を強め、低血糖をまねくおそれがあるので医師とご相談してください。
5.ダイエット目的のリベルサス処方
糖尿病治療薬を医師の管理下でダイエット目的として処方することは適応外処方として法律上認められており、国内の医療では多く行われております。当院及び当院が所属するユナイテッドクリニック・グループのリベルサスの診療方針は以下のとおりです。
《リベルサスの診療方針》
適応外処方をする際に、インフォームド・コンセント(医師と患者様との十分な情報共有された上での治療の合意)に十分配慮し、医療品被害救済制度の対象外であることや、副作用、リスクの説明などを含めしっかりと説明し、患者様のご理解、ご希望と同意をいただき、医師の判断の下で、患者様の自費で自由診療治療を行うことは法律上認められております。当院の診療はこうしたルールを遵守して行っておりますので、ご安心ください。
《最後に》
当院は、10年以上の診療実績、60万件以上の診療件数のあるユナイテッドクリニック・グループに所属しており、ユナイテッドクリニック・グループ(※4)では豊富な治療経験に基づく安全性・有効性・経済性に配慮したED薬治療(※5)を目指しております。メディカルダイエットをお考えの際には、当院の専門医師に、お気軽にご相談ください。リベルサスは、来院不要のオンライン診療(※6)(お問い合わせ・ご予約は0120-67-1515)のみの処方となります。皆様のお問い合わせ、オンライン診療のご予約を心よりお待ちしております。
(※4)→法人概要|ED治療薬・早漏改善・AGA
(※5)→安全性・有効性・経済性に配慮したバイアグラの入手方法を解説
(※6)→ED治療のオンライン診療とは?バイアグラやレビトラなど処方可能な治療薬も紹介
監修者
院長 髙嶋 政浩
平成元年 | 杏林大学医学部医学科卒業 |
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平成元年 | 杏林大学医学部附属病院 |
平成8年 | 西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任 |
平成12年 | 大手美容外科クリニック |
令和3年 | ユニティクリニック |