2023/12/22

自転車に乗るとEDのリスクがあることを知っていますか?
日常生活に潜むED(勃起不全)リスクを徹底解説

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【健康な日常生活に潜むEDリスク】

健康的な生活を過ごしていても健康を維持増進するよう心がけ実践していても、思いもよらない原因で健康な方でもED(勃起不全)を発症することがあります。典型的な例が「自転車ED」です。

【自転車EDリスク】

健康維持増進のための運動として自転車を活用する方が多くいらっしゃいます。一見健康に良いと思われる自転車ですが、乗り方次第でEDを発症してしまう場合があり「自転車ED」と言われています。

〔原因〕

ED診療ガイドライン(※1)では、ED発症のリスクファクターの一つである「外傷」において発生メカニズムの一端が説明されています。自転車乗車の際にサドルにより会陰部(またの付け根、股間)、特に陰部動脈と陰部神経が圧迫され、十分な血液が陰茎に流れなくなったり、勃起の信号が陰茎まで届きにくくなり、ED発症のリスクとなるとされています。

(※1)→ED診療ガイドライン第3版 (jssm.info)

〔対策〕

通勤や趣味で自転車に長時間、頻繁に乗車される方は、以下にご留意ください。(※2)

・太くてクッション性のあるサドルを選ぶ

・自転車に頻繁に1時間以上継続して乗車される方は、通勤の場合は電車・バスの利用を増やし自転車乗車時間を削減する、趣味で乗車する場合は小休憩を摂り長時間の継続乗車を避ける等により会陰部の長時間圧迫を回避する

・走行中にサドルからお尻を度々離す

・サドル、ハンドルの位置を調整して会陰部の圧迫を軽減する

なお、エアロバイク、フィットネスバイクでも自転車乗車と同様の会陰部の圧迫が発生しますので同様にお気を付けください。

(※2)→自転車の乗り過ぎはEDの原因?医師の見解と防止策4選

自転車EDのように、日常生活の中の行動が思いがけずEDリスクとなることが他にも多々あります。日常生活のどのようなところにEDリスクが潜んでいるかを以下で解説します。

【生活習慣EDリスク】

EDの原因とは?急になる理由や病気との関連を医師が解説

〔肥満、運動不足〕

ED診療ガイドライン(※1)では「肥満と運動不足」がED発症のリスクファクターとされており、肥満と運動不足の解消がEDの改善、予防につながる可能性が高く、非薬物療法として強く推奨されています。運動不足は心血管機能を低下させ、勃起に必要な血流を抑制するからです。運動不足は肥満の原因にもなります。肥満は動脈硬化・高血圧・糖尿病等の生活習慣病を誘発させ血管・血流劣化によるED発症リスクを高めるとされています。

詳しくは→EDは運動で改善できる?医師が勧める筋トレ・ストレッチまとめ

〔乱れた食生活〕

偏った食生活は栄養不足を招くリスクがあり勃起に必要な血管機能、神経伝達機能に悪影響を与える懸念があります。ジャンクフードやスナック菓子などの高カロリー・高脂肪食は動脈硬化のリスクを高め、動脈硬化は血液の流れを妨げEDの原因となります。

詳しくは→EDは食事改善で治る?医師が教えるおすすめの食べ物とNGな食べ物

〔過度な飲酒〕

アルコールは脳の性的興奮を感じる機能と神経の性的興奮を陰茎に伝える機能を低下させる作用があるため、過度な飲酒はED発症リスクを招く懸念があります。

詳しくは→お酒を飲むとEDになる?勃たない原因やアルコールによる影響

〔過度な喫煙〕

ED診療ガイドライン(※1)では「喫煙」がED発症のリスクファクターとされています。タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があり、陰茎への血液流入を妨げ、血管内皮障害を引き起こしED発症リスクを高めるとされています。

詳しくは→喫煙とEDに関するアンケート調査を実施 喫煙習慣のある男性の6割以上が勃起力の衰えを感じている

【生活環境EDリスク】

〔過剰ストレスEDリスク〕

ストレスを感じると体内で抗ストレスホルモン「コルチゾール」が放出されます。コルチゾールは私達をストレスから守るために働く物質ですが、過剰に分泌され続けるとコルチゾールを作り出す副腎が疲弊してしまいます。そうなると副腎で作り出される「DHEA」という男性ホルモン(テストステロン)の元となるホルモンが生成できなくなります。そのため過度なストレスが続くと性的興奮を高める働きのあるテストステロンが減少しED発症リスクが高まります。
日常的ストレスとしては、仕事上のストレス、排卵日に合わせて子作りしなければならないストレス、妻との性行為のマンネリ化によるストレス等があり、性欲減退、「心因性ED」(※3)発症リスクが生じます。特に妻との性行為のマンネリ化によるEDは「妻だけED」(※4)と言われています。

(※3)→心因性EDになったらどうすればいい?原因や治し方を解説

(※4)→「妻だけED」になるのはなぜ?嫁にだけ勃起しない理由や治し方を解説

〔睡眠不足EDリスク〕

→※5

〈男性ホルモン〉
性的興奮を高める働きがある男性ホルモン(テストステロン)は寝ている間に多く分泌されるため、睡眠不足があると男性ホルモン分泌が不十分となり性的興奮が減退し、EDの発症リスクが高まります。

〈交感神経〉
勃起は副交感神経の働きによるリラックスした状態が必要ですが、睡眠不足があると心身の緊張を促す交感神経の働きが勝り勃起しにくくなります。

〈生活習慣病〉→※6
健康な人でも7時間眠った日に比較して、4時間睡眠を数日間続けただけで食欲を抑えるホルモン分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモン分泌が高まるため、食欲が増大し肥満による生活習慣病発症リスクが高まるとされています。実際に慢性的な寝不足状態にある人は動脈硬化、糖尿病といった生活習慣病に罹りやすく血管・血流の劣化を招きED発症リスクが高まります。更に糖尿病は性的興奮を陰茎に伝える神経を損傷するリスクが明らかになっています。

(※5)→寝不足による勃起障害を知っていますか?睡眠障害による勃起障害・ED、治療方法、当院の診療を解説

(※6)→睡眠と生活習慣病との深い関係

〔夜間勤務EDリスク〕

夜勤に入ることによって体内時計と生活時間との間にずれが生じやすくなり、体内時計にとって不適切な時間帯に食事を取ることでも生活習慣病の原因のひとつになると推測されています。夜間には体内時計を調節する時計遺伝子の一つであるBMAL1遺伝子とその蛋白質が活性化しますが、この蛋白質は脂肪を蓄積し分解を抑える作用を持っています。このように夜勤が多く夜の間食を繰り返すと、肥満からの生活習慣病発症リスク、延いては血管・血流劣化によるED発症リスクを高めます。

【オナニー(自慰行為)EDリスク】

→※7

間違ったオナニーは下記のようなEDや射精障害のリスクがあります。

・床・壁を使ったオナニー:

摩擦や圧力によって陰茎を損傷するリスク、不衛生な接触による感染症リスク

・強く握って行うオナニー:

実際の性行為では膣圧の刺激によって性的刺激を感じにくくなるリスク

・足ピン状態で行うオナニー:

足を伸ばした状態以外では射精できなくなるリスク

・長時間オナニー:

性的快感への感受性が鈍化し射精までの時間が長くなるリスク

・半勃起状態で射精するオナニー:

半勃起での射精に慣れ完全勃起での射精ができなくなるリスク

・過激なポルノを見ながらのオナニー:

通常の性行為では性的興奮が得られず勃起不十分となるリスク

(※7)→オナニー(自慰行為)が原因でEDになる?適切なマスターベーションの頻度や避けるべき射精方法を紹介

【ポルノ依存症EDリスク】

→※8

ポルノ依存症とは、日常生活に影響を及ぼすほどアダルトビデオ等のポルノコンテンツに依存してしまうことです。ポルノ依存症になるとポルノコンテンツでは勃起できるものの、実際の性行為では勃起できないことが起こります。血流などの身体的な問題に関係なく勃起不全を発症するため、精神的な問題により起こる「心因性ED」(※4)に分類されます。原因としては、強い性的刺激・アブノーマルな性行為への慣れ、AV女優と実際のパートナーとのギャップ、刺激の強い自慰行為の繰返し等があります。

(※8)→ポルノ依存症とEDの関係は?毎日AVを観ると勃たなくなる?医師が解説

【コンドームEDリスク】

→※9

コンドームを付ける時に萎えてしまう、コンドームを付けていると中折れしてしまうと いう心配からコンドームの装着に不安を感じる症状をコンドームEDといいます。心因 性ED(※4)に分類されます。原因としては、コンドームでは気持ちよくない、装着に手こずった、外れた、破れた、中折れしたという心理的な要因があります。対策として、自分に合ったコンドームサイズを選ぶ、装着に慣れる、パートナーに付けてもらう、コンドーム・マス法(コンドームとローションを使い膣内に近い環境でマスターべーションする方法)を行う等があります。

(※9)→コンドームEDとは?ゴムで中折れする・いけない原因と改善方法を解説

【加齢・年代別EDリスク】

〔加齢EDリスク〕

→※10

ED診療ガイドライン(※1)では、「加齢」はEDの最重要リスクファクターとされて います。ED診療ガイドラインによると年代別のED有病率で30代が10%未満ですが40代では20%弱、50代後半には40%に達しています。40歳代を境にEDになる人が増加し、40歳以上の男性の3人に1人がEDといわれています。また、勃起機能を維持する男性ホルモン(テストステロン)の分泌が20~30代をピークに加齢により減少するすることもED発症リスクに関係しています。

(※10)→EDを発症する割合は?年齢別のデータや発症率を上げる要因も紹介

〔年代別EDリスク〕

・10~20代ED:
生活習慣病の発症が少ないため、緊張やストレス、トラウマ等が原因で発症する「心因性ED」(※4)が多いと言われています。(※11)

・30代EDリスク:
20代に引き続き「心因性ED」(※4)の発症リスクがありますが、生活習慣病をはじめとする身体的要因で発症する「器質性ED」(※12)(血管や神経の身体的問題で発症するED)が増えてきます。(※13)

・40~50代以降EDリスク:
身体的な問題で発症する「器質性ED」(※12)が多い傾向があります。ED発症頻度では動脈硬化によるEDが高いとされています。動脈硬化の発症で陰茎に十分な血液が流入できず勃起できなくなるリスクが高まるからです。(※14)

(※11)→10代でもEDになる?原因は精神面かも…治し方と医師の見解

(※12)→器質性EDとは?症状や原因、治療方法を解説

(※13)→30代でEDになることはある?原因や治し方について解説

(※14)→40代でEDになる原因は?治療法と医師の見解

【最後に】

当院は、10年以上の診療実績、60万件以上の診療件数のあるユナイテッドクリニック・グループに所属しており、ユナイテッドクリニック・グループの豊富な治療経験に基づく安全性・有効性・経済性に配慮した診療(※15)を目指しております。勃起力に衰 えを感じた際には、お一人で悩まず、当院の専門医師に、お気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。

(※15)→安全性・有効性・経済性に配慮したバイアグラの入手方法を解説

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監修者

院長 髙嶋 政浩

平成元年杏林大学医学部医学科卒業
平成元年杏林大学医学部附属病院
平成8年西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任
平成12年大手美容外科クリニック
令和3年ユニティクリニック