2024/5/28

妻だけEDを徹底解説

1．妻だけEDとは

「妻だけED」とは、妻以外の女性やアダルトコンテンツに対しては正常に勃起するのに、妻との性行為だけは勃起が困難な状態をいいます。夫婦間のコミュニケーションや心理的要因が大きく影響していることが多いとされています。なお、妻だけEDの背後に身体的要因（器質性要因）なども関係する場合があります。

2．妻だけEDの社会的影響

「妻だけED」は、多くの夫婦にとって切実な問題です。夫婦間の性交渉が途絶えることで、多くの問題が生じるリスクがあります。法務省の統計（※1）によれば、離婚の原因として「性的不調和」をあげた夫婦が15％を占めており、夫婦間の性的関係の重要性がわかります。セックスレスが続くと、夫や妻のどちらかが浮気するリスクが高まります。また、妊活中の夫婦にとっては、妻だけEDは子供を授かることができない大きな障害です。

（※1）→001346482.pdf (moj.go.jp）「令和２年度法務省委託調査研究 協議離婚に関する実態調査結果の概要」P.19「Q11.あなたが離婚した原因」参照

3．妻だけEDの現状

「妻だけED」に悩む男性はどれくらい居るのでしょうか。当院が所属するユナイテッドクリニックが既婚男性250名を対象に「結婚してから勃起力は衰えた？」のアンケート調査を実施しました。（※2）調査結果では、全体の76.8％、実に4人中3人が結婚後に勃起力の衰えを実感しています。年代別の実感割合は、20代（53.3％）、30代（72.9％）、40代（79.2％）、50代（80.7％）です。20代でも50％以上が結婚後に衰えを実感しています。年齢を重ねると衰えを実感している人の割合はさらに増加し、30代以降は割合が70％を超えており、特に注意が必要です。既婚男性にとって「妻だけED」は身近な問題といえるかもしれません。

（※2）→「妻だけED」に関するアンケート調査を実施 76.8%の男性が結婚してから勃起力の衰えを感じている

4．妻だけEDの原因

【ED上の分類】

EDは、以下の4種類に分類されます。

・心因性ED：心理的・精神的な要因で大脳の興奮が抑えられ発症するED

・器質性ED：身体的な要因（血管・内分泌・神経など）で発症するED

・混合性ED：器質性と心因性が重なって発症するED

・薬剤性ED：服用している薬の影響で発症するED

一般的に、「妻だけED」は心因性に分類されています。妻以外の相手であれば性行為を行えるますので、勃起機能そのものに問題はないと考えられるためです。

【多面的原因】

「妻だけED」は上記のように、一般的には心因性EDとされますが、全てのケースが心因性EDに分類されるわけではありません。器質性、混合性、薬剤性に分類されるケースもあります。 EDの分類により対処法などは異なるため、当初から心因性EDに限定せず、器質性、混合性、薬剤性まで考慮した取組みも必要です。 本コラムでは、従来の心因性原因・対処法だけでなく、それ以外の器質性などの原因・対処法についても深掘りします。

【心因性の原因】

〔セックスマンネリ化〕
発症原因として多いのは、「セックスのマンネリ化」です。婚姻期間が長くなると、セックスで得られる刺激が乏しくなってしまうからです。交際期間や婚姻期間が長くなると仕方がない面もありますが、新鮮味を維持する工夫は必要です。

〔セックスの義務化〕
妊活中の夫婦に多く見られます。妊娠の確率を高めるため、セックスを排卵日に合わせる夫婦が一般的です。セックスがスケジュール化されると、義務のように思えてストレスを感じる男性が多くなります。また、確実な妊娠のために勃起や射精を強く求められることに、プレッシャーを感じる男性も多いといえるでしょう。これらにより交感神経が優位になると、勃起しにくくなってしまいます。勃起は、リラックスしているときに働く副交感神経が支配しているためです。

〔妻の出産〕
妻の出産をきっかけに、勃起しにくくなることもあります。妻の位置づけが、恋人から一緒に子育てをする家族に変更されるためです。性的対象として捉えにくくなることでEDになってしまいます。また、妻側の理由としては、妻が出産と育児の疲労でセックスをする気になれないなどがあります。これらをきっかけにセックスが減少し、「妻だけED」になってしまう男性も存在します。

〔妻の体型の変化〕
男性は視覚的な刺激で性的興奮が高まるため、ぽっちゃり体型を好む男性がダイエットで痩せた妻に性的な魅力を感じなくなる、スリム体型を好む男性が太った妻に性的な魅力を感じなくなるなどが原因になると考えらます。

〔結婚直後〕
結婚して一緒に生活を始めると、妻が家庭内では、化粧もせず、ボサボサ頭で、だらしない格好で過ごしているなどが考えられます。理想と現実の違いにがっかりして、性的魅力が消失し勃起しにくくなってしまう男性もいます。

〔過去の失敗によるトラウマ〕
仕事のストレスや疲労などで勃起しなかったときに、妻から冷たい態度を取られたなどのトラウマ経験が該当します。セックスをしているときに「今回も勃起しなかったらどうしよう」などの思いが頭をよぎり、交感神経が優位になって勃起しなくなってしまったり、中折れしてしまいます。

〔妻のセックスの拒絶〕
妻からセックスを拒絶された場合、男性としてのプライドが深く傷つけられて、男性としての自信を失ってしまいます。再び誘うときに今回も拒絶されるかもしれない不安、ストレスやプレッシャーが大きくなるため、勃起しにくくなってしまいます。とはいえ、気分がのらない妻に無理強いすることはできませんので、拒絶されたときは、深く考え込まないようにしましょう。

〔性的嗜好の妻とのギャップ〕
夫の性的嗜好と妻の性的嗜好とずれていると、妻を性的対象として捉えられなくなり、十分な性的満足を得られなくなります。例えば、夫がSMプレーを希望している場合、SMプレイを妻が受け入れてくれないなどが考えられます。妻との妥協点を見つけることが必要です。

【器質性の原因】

〔アンケート調査〕
当院が所属するユナイテッドクリニックが既婚男性250名を対象に「結婚してから勃起力は衰えた？」のアンケート調査（※2）と、男性330人を対症に「朝立ちの頻度はどれくらい？」のアンケート調査（※3）を実施しました。結果は、以下のとおりです。

（※3）→朝立ちに関するアンケート調査を実施 自覚の頻度は「週1〜2回」が最多、加齢に伴い減少傾向にあることが明らかに

「妻だけEDを感じた既婚男性の割合」と「朝立ちに気づかない男性の割合」は、共に、年齢が上がるほど増えています。したがって、加齢によって増加する「妻だけEDを感じた既婚男性」の中で、「朝立ちに気づかない男性」も増加していると推定されます。つまり、朝立ちしない・しにくくなる原因が妻だけEDに関係していることになります。

〔朝立ちしない原因〕
朝立ちしない原因は、主に次の３つが考えられます。

〈加齢による男性ホルモンの減少〉
男性ホルモンの代表であるテストステロンは、多くが睡眠中に作られます。歳をとると睡眠時間が短く浅くなり、睡眠リズムが乱れがちになり、テストステロンを産生する能力も衰えてきます。テストステロンの減少によって引き起こされるさまざまな症状を「男性更年期障害」いい、EDもその一つです。そして「朝立ち」を見ると、上述した朝立ちアンケート調査（※3）では、「1週間に3回以上朝立ちに気づく割合」は、20代（50％）、30代（42.7％）、40代（27.1％）、50代以降（21.8％）です。男性としての健康のバロメーターである「朝立ち」が40代以降になると急激に約2割程度まで減少しているのが分かります。

〈身体的な異常によって生じる器質性ED〉
陰茎を通る陰茎動脈は直径わずか1〜2mmと細く、男性の動脈硬化はこの陰茎動脈から始まるといわれています。高血圧や脂質異常があったり、糖尿病で血糖値が高い状態が続いたりすると、悪玉コレステロールが血管の壁に溜まり血管を狭くするためです。この動脈硬化が原因で血流が低下し、器質性EDを発症することがあります。逆に考えると、朝立ちの回数が減ったり朝立ちしなくなったりした場合は、動脈硬化の初期症状とも考えられます。

〈心因性の要因が絡むことも〉
強いストレスや疲労で一時的に朝立ちが減少することがあります。ストレスやこれに伴う睡眠不足が続くと、テストステロンの減少にも繋がります。

【薬剤性の原因】

睡眠不足は男性ホルモンであるテストステロンの分泌量を低下させ、EDを引き起こす恐れがあります。 テストステロンは勃起に関する機能を正常に保つために必須のホルモンで、分泌量の低下はED発症のリスクファクターの一つです。そのため、ED改善目的で睡眠不足を軽減するために不眠症の薬が処方されることがあります。その不眠症の薬が原因でEDを発症する場合があります。睡眠薬や抗不安薬によく使われるベンゾジアゼピン系の薬剤はED発症の原因となるため、それ以外の薬剤を使用できないか、医師に相談しましょう。

5．妻だけED の改善

【心因性面の改善】

〔ED治療薬を服用する〕
妻だけEDは心因性EDの一種で、 ED治療薬で改善が見込めます。ED治療薬服用により、陰茎内の血管が拡張し、多くの血液が流入し、勃起しやすくなります。 ED治療薬の服用で妻との性行為がうまくいけば、その成功体験が自信に繋がり、心因性原因を克服し、妻だけEDの改善も期待できます。ED治療薬のおかげで妻と問題なく性行為をできる状態になったという患者様もいらっしゃいます。

〔非日常的なドキドキ感を演出する〕
マンネリ化したセックスを解消するには、非日常的なドキドキ感・フレッシュ感を演出するのも有効です。普段はあまりしないことをして、出会った頃の新鮮な気持ちを思い出し、お互いの気分を盛り上げるのがポイントです。セックスする状況例は以下のとおりです。

• ・出会った頃のデートコースに行く

  ・出会った頃の観光地に旅行に行く

  ・妻が行きたい観光旅行に行く

  ・子供は祖父・祖母に預ける

• ・ホテル・旅館・ラブホテルに宿泊

  ・一緒に入浴

  ・妻にセクシー下着を着用してもらう

  ・アダルトコンテンツなどを見ながら

〔妻との自然なコミュニケーションを増やす〕
「妻だけED」で妻との関係が悪化している場合は、自然なコミュニケーションを心掛けましょう。日常的に良好なコミュニケーションが取れれば不安・ストレスは軽減し、勃起力の改善が期待できます。

〔妻だけEDの悩みを妻に打ち明ける〕
「妻だけED」の悩みを妻に打ち明けることも有効な改善方法です。悩みを打ち明けられず悩み・不安を抱いている状態では、リラックスして性行為に臨めません。勃起するにはリラックスした状態が必要です。

〔スキンシップを積極的に取る〕
ボディタッチやハグといったスキンシップを積極的に取ることで、「妻だけED」の改善につながる可能性があります。異性に触れると脳内でオキシトシンというホルモンが分泌され、お互いに愛情を感じられ、妻だけEDの克服が期待できます。

【器質性・薬剤性面の改善】

〔性欲の増進〕
高齢になるにしたがって、心因性の原因だけでなく、男性機能低下による器質性の原因も、「妻だけED」発症に影響するようになります。したがって、「妻だけED」の克服として、心因面からだけでなく、男らしさ・男性機能の強化により「性欲の増進、旺盛な性欲を取り戻す」という器質面の改善も有効と考えられます。その際に重要なのが「男性ホルモン（テストステロン）」です。

〔テストステロンの性欲増進作用〕
「性欲」「性衝動」は、テストステロンの作用です。異　性を惹きつける体臭と言われるフェロモンを発生させて、ドーパミンという興奮作用のある神経伝達物質を増やします。そして、骨盤神経に作用して勃起を起こすなど、男性がセックスを行うために必要な「興奮」「勃起」などを促す作用があります。男性にとってテストステロンは最も自然で強力な媚薬であり、天然の催淫薬なのかも知れません。その一方で、「妻だけED」などの大きな挫折感・過度のストレスにさらされた男性の場合、テストステロンレベルは低下する、という指摘があります。

〔テストステロン減少による性欲減退原因〕
テストステロン減少で性欲が湧かなくなる主な原因は以下のとおりです。

　〈体重の増加〉
体重の増加は、性欲減退を引き起こす原因になります。肥満傾向にある男性は、正常な男性に比べてテストステロンの数値が低いことが研究（※4）で明らかになっているからです。

（※4）→若年男性における肥満のテストステロンおよび性機能に及ぼす影響 | 大東製薬工業公式BLOG (daito-p.co.jp)

〈亜鉛の摂取不足〉
摂取した亜鉛は体内に蓄積され、細胞の代謝とテストステロン生成など重要な男性生殖機能維持に使われます。このように亜鉛は常に身体から必要とされているため、どうしても不足しがちです。そのため、カップ麺やコンビニ弁当など、偏った食事が多い人は慢性的な亜鉛不足になりがちで、テストステロンが十分に産成されず、性欲減退が起きていることが考えられます。

〈慢性的ストレス〉
「妻だけED」などによる慢性的に溜まったストレス・疲労が、テストステロンの分泌量を低下させ、性欲減退を引き起こす原因とされています。

〈薬剤性原因〉
薬の副作用で、性欲が低下している可能性もあります。医薬品の中には、テストステロンの分泌を阻害する働きを持つ物があるからです。うつ病や前立腺がんの処方薬にはプロラクチンというホルモンの分泌を促す働きがあり、プロラクチンによってテストステロンの分泌が妨げられ性欲減退が起こる可能性があります。

〔テストステロン増加対策〕
上述の〔テストステロン減少による性欲減退原因〕に関しては、〈体重の増加〉についてはダイエット、〈亜鉛の摂取不足〉については亜鉛の摂取、〈慢性的ストレス〉については気分転換、〈薬剤性原因〉については医師に相談が対応策になります。次に、当院で行う「妻だけED」改善のための診療について詳しく説明します。

6．当院の「妻だけED」の診療

当院および当院が所属するユナイテッドクリニックグループ（※5）での、「妻だけED」改善のための診療について説明します。

クリニックの概要は→【公式】ユナイテッドクリニック、ED治療・早漏治療・AGA治療ならユニティクリニック（ユナイテッドクリニックグループ）

《最後に》

当院は、10年以上の診療実績、60万件以上の診療件数のあるユナイテッドクリニック・グループに所属しており、ユナイテッドクリニック・グループ（※5）では豊富な治療経験に基づく安全性・有効性・経済性に配慮したED薬治療 （※6）を目指しております。勃起力に衰えを感じた際には、お一人で悩まず、当院の専門医師に、お気軽にご相談ください。来院不要のオンライン診療 （※7）を含め皆様のご来院を心よりお待ちしております。

（※5）→法人概要

（※6）→安全性・有効性・経済性に配慮したバイアグラの入手方法を解説

（※7）→ED治療のオンライン診療とは？バイアグラやレビトラなど処方可能な治療薬も紹介

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